17: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:45:18.15 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
「あんたさぁ、何、姉が近くにいないとロクに話も出来ないわけ」
「えっ……」
18: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:45:46.69 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
目の前のでかいピンクの筐体の、小さな銀のおちょぼ口に、執念を込めてコインを投入する。
欲望は、欲望は足りてるのだ。
19: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:46:22.05 ID:zLodnUsNO
「っしゃあ〜」
まずは私の番だ。
三つ並んだボタンの一番左、1と書かれたボタンを押すと、電子音丸出しの、間抜け極まるBGMが流れる。
20: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:46:57.06 ID:zLodnUsNO
「っしゃあ〜」
真似すんな。
おもむろに2と書かれているボタンを押すと、またしても間抜けな電子音が流れてアームが奥に滑りだした。
みほの顔がぐっとガラスに近づく。鼻息でガラスがテンポよく曇っている。ふふふ、バカ犬。
21: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:47:29.93 ID:zLodnUsNO
「とにかく、ラスト行くわよ」
「エリカさん、いける、いけるよ!!!」
「っしゃあ〜回転見といて回転っ」
22: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:48:00.71 ID:zLodnUsNO
「これじゃ引っ掛けようが……」
「まだだ、まだ終わってな……ああ……」
「あぁ……」
23: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:49:00.08 ID:zLodnUsNO
「わぁわぁわぁ!!ねぇやっぱりもういいよぉ!もう結構厳しい額使ってるよぉ!」
「るさいわね、私は一度決めたことはやり抜く主義なのよ」
少しの逡巡のあと、やはりもう一つまみコインを取り出し、チャリンチャリンと二枚連続でおちょぼ口に滑らせる。
24: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:49:51.58 ID:zLodnUsNO
全く、自分の金が減るわけじゃなし。
こいつはほんとに甘ちゃんというか、なんというか、たまにはちゃんと自分の欲望を優先させるべきなんだ。
「あのね、これ限定なんでしょ」
25: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:50:22.44 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
「またこのクマ?」
「ヒッ!!」
26: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:51:16.16 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
「エーリカさんっ!」
おっ、弾んでる弾んでる。
これは上機嫌みほ。
27: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:51:59.22 ID:zLodnUsNO
あー、やっぱり。
間抜けな声色はこれ多分、真似だろう。似てない。
右腕だけをズイと目の前に繰り出していた。
こいつがこんなに上機嫌なのは、大体がこのクマ絡みなのだ。
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