20: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:46:57.06 ID:zLodnUsNO
「っしゃあ〜」
真似すんな。
おもむろに2と書かれているボタンを押すと、またしても間抜けな電子音が流れてアームが奥に滑りだした。
みほの顔がぐっとガラスに近づく。鼻息でガラスがテンポよく曇っている。ふふふ、バカ犬。
21: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:47:29.93 ID:zLodnUsNO
「とにかく、ラスト行くわよ」
「エリカさん、いける、いけるよ!!!」
「っしゃあ〜回転見といて回転っ」
22: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:48:00.71 ID:zLodnUsNO
「これじゃ引っ掛けようが……」
「まだだ、まだ終わってな……ああ……」
「あぁ……」
23: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:49:00.08 ID:zLodnUsNO
「わぁわぁわぁ!!ねぇやっぱりもういいよぉ!もう結構厳しい額使ってるよぉ!」
「るさいわね、私は一度決めたことはやり抜く主義なのよ」
少しの逡巡のあと、やはりもう一つまみコインを取り出し、チャリンチャリンと二枚連続でおちょぼ口に滑らせる。
24: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:49:51.58 ID:zLodnUsNO
全く、自分の金が減るわけじゃなし。
こいつはほんとに甘ちゃんというか、なんというか、たまにはちゃんと自分の欲望を優先させるべきなんだ。
「あのね、これ限定なんでしょ」
25: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:50:22.44 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
「またこのクマ?」
「ヒッ!!」
26: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:51:16.16 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
「エーリカさんっ!」
おっ、弾んでる弾んでる。
これは上機嫌みほ。
27: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:51:59.22 ID:zLodnUsNO
あー、やっぱり。
間抜けな声色はこれ多分、真似だろう。似てない。
右腕だけをズイと目の前に繰り出していた。
こいつがこんなに上機嫌なのは、大体がこのクマ絡みなのだ。
28: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:52:41.41 ID:zLodnUsNO
ちょっと外に出ていて、部屋に帰ると、みほがいきなり、何回目かわからない一生のお願い(私に対しては百万回生きたみほになるらしい。頻繁とまでは言わないが、わりと体感そのペースでくる)を使ってきたから何事かと思ったら、やっぱりこのクマ、ボコ絡みだった。
それから私達は、何故か薄暗い部屋で、お互いのケータイの光を頼りにみほのベッドに潜って(みほは狭いからいいと必死に許否しようとしたが、何を、こいつめ。こっちはそんなくらい覚悟済みだぞ)ひたすらハガキを書き続けた。
私が宛名を書いてみほが装飾してた。
『エリカさん懸賞は運じゃないよ!目立ったもん勝ちだよ!』
と言って憚らないみほは、私が宛先の住所とボコと応募係という言葉にゲシュタルト崩壊を起こしかける中、黙々と、楽しそうに色ペン使ってやがった。
29: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:53:18.40 ID:zLodnUsNO
「えぇ?」
「うん!超レアなんだよ。この耳のとこの包帯、見て」
そのえぇじゃないっての……。
30: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:53:50.84 ID:zLodnUsNO
「……まぁ、あんたが嬉しいならいいわよ」
どうやらみほは更に気を良くしたらしく、何故か照れながらでへへ、と笑う。
機嫌マックスみほは、見ているこっちもいつもより微笑ましい気持ちになる。
最近では、何気に超激レアみほだ。
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