26: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:51:16.16 ID:zLodnUsNO
〜〜〜〜〜〜〜〜
「エーリカさんっ!」
おっ、弾んでる弾んでる。
これは上機嫌みほ。
27: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:51:59.22 ID:zLodnUsNO
あー、やっぱり。
間抜けな声色はこれ多分、真似だろう。似てない。
右腕だけをズイと目の前に繰り出していた。
こいつがこんなに上機嫌なのは、大体がこのクマ絡みなのだ。
28: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:52:41.41 ID:zLodnUsNO
ちょっと外に出ていて、部屋に帰ると、みほがいきなり、何回目かわからない一生のお願い(私に対しては百万回生きたみほになるらしい。頻繁とまでは言わないが、わりと体感そのペースでくる)を使ってきたから何事かと思ったら、やっぱりこのクマ、ボコ絡みだった。
それから私達は、何故か薄暗い部屋で、お互いのケータイの光を頼りにみほのベッドに潜って(みほは狭いからいいと必死に許否しようとしたが、何を、こいつめ。こっちはそんなくらい覚悟済みだぞ)ひたすらハガキを書き続けた。
私が宛名を書いてみほが装飾してた。
『エリカさん懸賞は運じゃないよ!目立ったもん勝ちだよ!』
と言って憚らないみほは、私が宛先の住所とボコと応募係という言葉にゲシュタルト崩壊を起こしかける中、黙々と、楽しそうに色ペン使ってやがった。
29: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:53:18.40 ID:zLodnUsNO
「えぇ?」
「うん!超レアなんだよ。この耳のとこの包帯、見て」
そのえぇじゃないっての……。
30: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:53:50.84 ID:zLodnUsNO
「……まぁ、あんたが嬉しいならいいわよ」
どうやらみほは更に気を良くしたらしく、何故か照れながらでへへ、と笑う。
機嫌マックスみほは、見ているこっちもいつもより微笑ましい気持ちになる。
最近では、何気に超激レアみほだ。
31: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:54:25.66 ID:zLodnUsNO
記憶がまた掘り起こされた。
みほの装飾は、最後必ず、オレンジ色と茶色を器用に薄く混ぜて、矢印書いて、『こんな感じで!』で終わっていた。
色とりどり、怪我の種類も様々な何匹かのボコで飾られていたが、そこだけは共通していた。
ふとみほを見ると、顔を真っ赤にしていた。
手が震えている。
32: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:55:01.22 ID:zLodnUsNO
思わず笑みが浮かんでしまう。
ずっと前って、中学生の頃の話じゃないの。
そうか、そうか。
「……いっ、いらない?」
33: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:55:35.71 ID:zLodnUsNO
こいつはさっきからどうしたんだ。
醸す雰囲気は多分上機嫌みほなのだが、身の縮こまりっぷりが凹みほなのだ。そして、微妙に声が震えていて、この声色は。
…………。
いやいや、いやいやいやいや。
動揺を努めて隠す。
34: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:56:05.68 ID:zLodnUsNO
多分その時にはもう、手遅れだった。
35: ◆JqGp63ORhIDW[saga]
2016/10/28(金) 13:58:53.85 ID:zLodnUsNO
とりあえずここまでです。
今日の夜には続き載せられると思います。
ちなみに、前作とは完全なパラレルです。
36:名無しNIPPER[sage]
2016/10/28(金) 14:52:46.21 ID:fL61GYlHo
乙 期待
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