124:名無しNIPPER[saga]
2016/10/28(金) 22:36:27.21 ID:kX0SnsBDO
男「じゃあな」
魔法使い「あ、本は……」
男「いらねーよ」
魔法使い「え?でも……」
男「あれはお前のもんだ」
魔法使い「気なんて遣わなくていいよ!」
男「一冊一冊が歴史の断片で……大事に守ってきたお前の記憶なんだろ?」
魔法使い「へ…?」
男「何百年も覚えてられる訳がねーもんな。時代に取り残されても……世界の一部でありたかったんじゃないのか」
魔法使い「……!」
男「ほんと寂しいヤツだよな。仲間外れのクセして、いつも周囲を羨ましそうに眺めてやがる」
魔法使い「あ、あんなの……なんでもないよ」ショボン
男「いいから取っとけよ。年月を経ていくたびにプレミアが付くぜ?」
魔法使い「どうだっていいよ…。手元に置いたってしょうがないもん」
男「じゃあまたいつか価値が高まった時にでも取りに来てやるよ」
魔法使い「え…?」
男「俺はトレジャーハンターだからな。宝探しに目がないんだ」ニヤリ
魔法使い「〜〜〜!」ドキンッ
男「それまで誰にも取られんなよ」
魔法使い「(か、かっこいい……)」ドキドキ
男「分かったな?」
魔法使い「…うん!絶対にやるもんか!誰が来たって骨まで残さず滅するよ!」ニコッ
男「(表現が物騒なんだよなぁ)」
魔法使い「ずっと待ってるよ。幾万、幾億の夜が明けても……キミが来る日を信じてる」
男「おう…」すたすた
魔法使い「っ……またねー!」フリフリ
男「ふっ…ああ、またな」ヒラヒラ
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