過去ログ - 古風な愛 【原著:星新一 ・ ごちうさ訳】
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17: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:42:08.73 ID:MgkQzc3L0
「眠くなってきました……」


と彼女が言った。わたしの頭はさえきっていたが、やはり同じように言った。

以下略



18: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:42:36.33 ID:MgkQzc3L0
薬が効いてきたのか、彼女の声はかすかになり、目を閉じた。


「……わたしをしっかりと抱いていてください」

以下略



19: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:43:03.58 ID:MgkQzc3L0
しかし、わたしはなすべきことに気づき、ポケットの薬をビンに戻し、ドアから飛び出して大声をあげた。
かけつけてきたホテルの係に、ちょっと外出したあいだに薬を飲んだらしい、と告げた。
ホテルじゅうにざわめきが波紋のようにひろがっていった。


以下略



20: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:43:30.53 ID:MgkQzc3L0
わたしはチノちゃんの家に帰り、自分の部屋に閉じこもり、コーヒーを自分で淹れて飲んだ。
ほかに何もする気になれなかった。


21: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:43:57.98 ID:MgkQzc3L0
ドアの方で訪問者のけはいがした。
わたしが応答しないでいると、客は勝手に入って来た。
チノちゃんの父親だった。彼は沈痛な表情と絞り出すような声で言った。


以下略



22: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:44:25.61 ID:MgkQzc3L0
「これでいいんだ。
これは、受け取りたくないかもしれないが、受け取ってほしい。
少ないかもしれないが……」


以下略



23: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:44:52.07 ID:MgkQzc3L0
「すべてきみのおかげだ。お礼の言いようがない」

「いいえ、あなたの思いつきに従っただけです。深い愛がなければ思いつけない……」

それだけ言って、わたしは黙った。
以下略



24: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:45:34.91 ID:MgkQzc3L0
「チノほどしあわせに死んだ者は、世の中めったにいないだろうな」


そして、苦労して笑おうとしたが、それのできるわけがなかった。
わたしも同様だった。
以下略



25: ◆n0ZM40SC3M[sage saga]
2016/10/29(土) 18:46:06.41 ID:MgkQzc3L0
青山「というお話はどうでしょうか〜」

ココア「わたしなら、お医者さんになってチノちゃんを治して結婚する、完璧なハッピーエンドを目指すよ!!」

ティッピー「わしをさりげなく殺すな!」
以下略



26:名無しNIPPER[sage]
2016/10/31(月) 17:04:51.30 ID:R2fYd6RMO
なるほどな


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