10: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:43:34.40 ID:JntGMmXe0
「なるようになる。これが、今のところの俺の答えだ。
知りたいというのなら、知ってもらえば良い。それだけだ。
隠したのには理由がある。それをありのままに伝えようではないか」
「提督・・・つまりそれは・・・」
明石は、この提督の発言に驚いていた。
今までは頑なに、朝潮の遺言に基づいて、朝潮の存在を消そうとしてきた。
しかし今の提督の言葉はどうか。朝潮型姉妹に、朝潮のことをそのまま伝えようと言っているのだ。
「つまり、本人たちが望むのなら、朝潮ちゃんの存在を伝えるということですね」
「そうだ」
「・・・私としては、とても嬉しいことですが、なぜ、今になって」
「・・・お前が病院に運ばれてから、俺も変わったんだ。自然体が一番だって、思った」
提督はそう言って席を立ち、明石と共に駅まで行く。そしていつも通り、二人は別れた。
提督との意見が合致した。そうと決まれば、明石の行動は決まっている。
朝潮型姉妹に、朝潮の存在を知らせるのである。
霰の話では、荒潮、霞、満潮だけが、欠けた記憶のピースに苦しんでいるという。
しかし、これは朝潮型全員の問題だ。
欠けた記憶を認知している姉妹以外にも、伝えなくてはならない。
明石は霰に、話したいことがあるということだけを伝えて、朝潮型姉妹を一箇所に集めようとした。
そして数カ月後、それが叶う。ついに、朝潮の存在が、姉妹全員に知らされる機会を得たのだ。
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