過去ログ - お役に立てたのなら【艦これ】
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19: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:49:34.39 ID:JntGMmXe0
提督の話が尽きると、今度は明石が話しだした。

アイテム屋として接した数少ない記憶から、

回天特攻を願い出て、そしていなくなるその時まで。

時々、提督の話以上に生々しい素顔を明石から知っては、

姉妹はもちろん、提督までが、眉をひそめ、ゆっくりと涙を流した。

蘇る記憶の連鎖。思い出話。

姉妹として共に過ごしてきた、朝潮との日々が徐々に蘇る。思い出が思い出を呼び、

記憶の中の朝潮がパーツを集め、この場で蘇る。

大きな記憶が出尽くし、断片的で小さい思い出が飛び交うとき、提督は一つ、提案をした。

「今から、鎮守府に行かないか? 軍部の管理区域だが、外からなら見ることはできるだろう」

提督の提案に満場一致で賛成し。早速電車を乗り継ぎ、鎮守府へと向かう。

日が暮れ始める頃にも関わらず、皆がそこに行こうとした。

向かう途中、電車の窓から海が見え始める。深海棲艦と戦っていた頃、毎日出ていた海だ。

懐かしさのあまり、心が揺さぶられる。そして、見えてきた鎮守府。

戦争後、施設としての再利用の目処は未だに立たず、資料として残されている。

提督は守衛に歩み寄り、身分証明をして無理に見学許可と懐中電灯を得た。

「入っていいぞ」

「えっ? 大丈夫なのですか?」

「許可はもらった。ここまで来たんだ、見ていくべきだろう」

提督を先頭に、門を経て鎮守府内に入る。

守衛は呆けた顔で、彼女たちを見ていた。

提督が向かう先は、鎮守府の外れ。たいていの艦娘も来たことのないような場所。

電灯もなく、懐中電灯で照らして進んでいく。

草木が生い茂り、入りにくい。


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