過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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◆XkFHc6ejAk
[saga]
2016/11/06(日) 21:37:21.65 ID:8pj/VA940
男が苛立つのをやめ――と言うより、思考を停止させて――二時間ほど経ち、ようやく男の身体から、呪いが消え去りました。
「……ふぅ、まさか三十人でようやく喰えるほどの呪いとは……」
「あァ……やっと身体が軽くなった!!」
男はようやく活力を取り戻したようです。目に力が宿りました。
そういえば、とちらりと目をやると、老人と猿はすでにぐっすりと寝ています。
「こいつら……」
男はウィルオウィスプを浴びせてやろうかと思いましたが、そもそも自分に付き合ってもらっている立場です。
彼一人だけでは、かなり難航していたでしょう。そもそも、「呪いを喰う種族」は、決して弱い種族では御座いません。
なにしろ喰った呪いを自分の武器に出来るのですから。触れられれば即アウトの強力な能力です。
彼らがこうして結界を貼っているのは、争いを好まない優しい性格だからです。
……まあ、こいつらのおかげ、か……
男はそう思い直してどかりと座りました。
「俺も少し寝る」
「え……おお、もう寝ている。何とも豪快な方だ」
ようやく苦痛の無い安らかな眠りにつく事が出来ます。
男は横になると、大きないびきを立てて眠り始めました。
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