過去ログ - 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」
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30:名無しNIPPER
2016/11/12(土) 22:00:39.46 ID:ArlH4pI70
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「よし、準備は整ったな」

棺が並ぶ薄暗い場所で、ミゼルと呼ばれる男はそう言いました。

彼が目を向けた複数の棺の中には、イビルイーターと呼ばれる怪物が眠っています。

隣に並んだ壺には、彼らが造り上げたキメラが封じ込められています。

十四体のイビルイーターとニ十体のキメラ。これが彼らの兵力で御座います。

「ああ、ドッペルゲンガーが後一人居たらなぁ」

そう、このイビルイーターは、時計台の下にあった少年の死体を元に作られているのです。

彼らは、偶然ワタクシ本体から溢れる瘴気によって生まれたドッペルゲンガーを――近くの男と老人を警戒しながら――狙っていました。

彼の死体を生贄に死霊術を重ねる事によって、あのジャバウォックですら捕食してしまうイビルイーター、通称「霧の怪物」が誕生したので御座います。

何人もの生贄が必要でしたが、それを補ってあまりある強さです。

「もうすぐだ、もうすぐ全てが終わる……何人もの同胞が、呪術の生贄となってくれた」

「だが、俺は後悔はしていない」

「彼らのためにも、絶対に成し遂げてやる」

男は静かに燃える目を見開きました。彼らの間にはしっかりとした弱者の結束がありました。

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