過去ログ - 翠星石「キスってどんな味ですか?」
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1:名無しNIPPER[saga]
2016/11/02(水) 23:24:12.14 ID:pYKtIlma0
百合
うん年前に書いたのが出てきたから供養

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2:名無しNIPPER[saga]
2016/11/02(水) 23:24:44.74 ID:pYKtIlma0
昼下がり。高く高くまで澄み渡った抜けるような青空は今日の穏やかな様子を象徴したかのように揺れていた。

その空と違わず過ごしやすい気温もあり珍しく彼女らのマスターであるジュンは外出中、のりは当然のようにラクロス部の練習へと出ており家の中に人の気配は無かった。

とは言えこの家には「人」以外の「モノ」が存在するわけで。平穏とは少々遠いところに位置するのである。
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2016/11/02(水) 23:25:15.32 ID:pYKtIlma0
ぱたり、というよりはどさりと重そうに分厚い漫画雑誌を閉じた彼女、翠星石は惚けたような顔にうっとりと手を当て窓の外を眺めていた。手にしていたのは家の主人とも言えるのりの持っていた漫画。ニンゲン嫌いである彼女であっても少女の心を持つものであるが故かそんなニンゲンのラブストーリーに憧れを写し込んでいたのだった。単純と言えば単純であるがそこに自らを代入することも一般的な楽しみの一つであろう。

「へぇ。君がそういったものに興味があるとは思わなかったな。お相手はやっぱりマスターかい?」

そんな自分の世界に浸っている中かけられる声。


4:名無しNIPPER[saga]
2016/11/02(水) 23:25:41.74 ID:pYKtIlma0
「そ、そんなことねーです! チビ人間なんかとキッスだなんて、あ、あるわけねーです!」

ベッドの上から飄々とした声を投げられた彼女はそちらに向き直り噛み付くように答えるーーこの律儀さも彼女の少女性を表すようで揶揄った本人は楽しんでいるのだがーーそれに気がつかないほどには翠星石も恥ずかしがっているのか。

「違ったかい? でも君がそんなに心を許しているのは彼だけだろう?真紅あたりに聞かれないようにね」
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2016/11/02(水) 23:26:10.57 ID:pYKtIlma0
「そ、そんなこと言ったら蒼星石だって一緒に読んでたですぅ! 翠星石だけじゃないです!」

尚もにやにやとした表情で追及する彼女、蒼星石も手元の本を丁寧に閉じると椅子代わりにしていたマスターのものである枕からちょこんと降り、居住まいを正して彼女の反撃に応じる。

「違う違う。これはマスターの本…学校に行く手伝いが出来たらと思ってね」
以下略



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