過去ログ - 京子「忘れられないキスが欲しい」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/04(金) 20:45:36.70 ID:MnhhpV2E0
「……つまり京子は、私と本気でキスするつもりなんてなかったと?」




「……」こく




泣き止んだ後の私の脳内は「恥ずかしい」の一言で埋め尽くされていた。


自分自身が一番分かりきってることを改めて結衣に反復されただけで、どうしてこんなに顔が火照ってしまうのだろう。




「それで?その後どうして泣いちゃったの?」




結衣は迷子の子どもに話しかけるように、穏やかな口調で聞いてくる。きっと結衣なりの良心なんだろうけど、私は逆に恥ずかしさで押し潰されそうだった。




「ああ…もうやだぁ……死にたい…………」




もうこの場から消え失せてしたいたい。それか今までの記憶を消して、時間を巻き戻してほしい。

そう願っても、一度こびりついた記憶が失われることはなく、恥じらいと比例するように、パジャマを掴む手の力は強くなった。




「もしかして……私とキスするの、そんなに嫌だった……?」




……違う。




「ちがう……ちがうのっ…………私は、結衣との初キスがこんな風になったのが嫌で……っ」




私は首を左右に振って否定する。

それだけは誤解されてほしくなかった。結衣とキスするのが嫌なわけがない。そんなのありえない。

むしろ……嬉しい。すごく嬉しい。こんな状況じゃなきゃ、飛び跳ねて喜ぶくらい嬉しい。

だからこそ、「初めて」がこんなあっけない形で済まされてしまうのが、ただただ嫌だった。くだらないと思われるかもしれないけど、それだけ私にとって結衣は大きな存在で、後悔の念も人一倍大きかった。


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