過去ログ - 【ペルソナ5 佐倉双葉SS】ケスラー・シンドローム;Surrender
1- 20
106:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 16:54:19.08 ID:R5q4UVjHo
「…………ズルい。ほんっとズルい。勝てるわけないじゃん、こんなの」

 これはきっと、信頼というやつだ。わたしの答えを知っている顔だ。わたしの敗北を確信している顔だ。

 絶対に勝てない勝負に誘ったのはわたしのほうか。
以下略



107:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 16:55:17.59 ID:R5q4UVjHo
 わかったよ。わたしの負け、降参だ。

 これでゲームには負ける。けど、これから先はもう誰にも負けないかも。

 わたしはこいつとなら、二人なら、無敵だ。
以下略



108:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 16:56:05.43 ID:R5q4UVjHo
 記憶力がいいとか悪いとか、関係ないな。こんなの、わたしじゃなくても忘れられるはずないだろ。

 でもいいよ、それならわたしは全部覚える。

 プロポーズの言葉も言い方も、繋いだ手の温度も、唇の柔らかさも、片手で抱き締める力も、全部。残さずわたしの脳裏に刻み込む。
以下略



109:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 16:58:08.71 ID:R5q4UVjHo


 佐倉家にとある怪盗からの予告状が届いた。

 その予告状はかつてのそれとは違い、送り主を糾弾するものではなかった。
以下略



110:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 16:58:51.94 ID:R5q4UVjHo


 …………。…………葉。

 遠くから声が聞こえる。
以下略



111:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 16:59:43.90 ID:R5q4UVjHo
「あー……、寝てた……。って、おわぁっ!」

 机でうとうとしている間に涎を垂らしていたらしく、無造作に置いてあった資料がベタベタになっていた。

「うーわ、これ借りてたヤツじゃん。元データ持ってないぞ……」
以下略



112:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 17:00:46.96 ID:R5q4UVjHo
「あ、わたしも行く。注意しないと」

 二人で家を出るとき、眩しい陽射しにおもわず目を細めた。見上げれば、雲一つない鮮やかな青空が広がっていた。

 うん。わたしの世界は、今日もいい天気だ。
以下略



113:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 17:02:18.80 ID:R5q4UVjHo
「はいはい、じじいだぞー」

「コラ蒼葉、勝手に出ちゃダメって言ったろー? 近くても危ないんだからなー?」

「……だって、おかあさんねてたから、おこしちゃかわいそうって……」
以下略



114:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 17:04:51.40 ID:R5q4UVjHo
「じじいが何でもきいてやるからなー、危ないからどっか行きたいときはちゃんと言うんだぞ?」

「うん! おじいちゃんだいすき!」

「嬉しいねぇ。じじいも大好きだぞー」
以下略



115:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 17:06:37.00 ID:R5q4UVjHo
「もう漢字覚えようとしてんのかよ……。どうなってんだお前の血筋は」

 そうじろうが驚きの声をあげた。ふふん、なんたってわたしと旦那の娘だからな。わたしのお母さんの孫でもあるし。

「でもまだ難しいみたい。葉はギリギリ書けるようになったけど、蒼が書けなくて困ってる」
以下略



116:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/13(日) 17:08:06.95 ID:R5q4UVjHo
「こっちのがかんたんじゃない!」

「あー、そういうこと」

「そういえばなんでなんだ? 青葉って言葉はあるけど、こっちの蒼葉なんて言葉はねぇだろ。あれか、わざわざ難しい漢字使うの流行ってるからか?」
以下略



138Res/81.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice