過去ログ - 男「誘拐から始まるモバP生活」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/09(水) 22:56:10.58 ID:qaZhL8KK0
車のそばでガキを下ろし、リモコンキーで車を開ける。乗り込む、エンジンをかける。シートベルトを着ける。
ドアを閉め……られない。ガキがドアを掴んでる!

男「おい何をする!!離せ!!お前に用はないんだ!!!」

お前およびお前の家の金に用があったんだ、とは言わなかった。
用がなくなった今、こいつに余計な印象を与えるべきではない。

タチバナアリス、と言ったか。そのガキは運転席のドアをはっしと掴んで離さない。
……華奢でひょろっちょろなガキのくせに意外な膂力だ。
体を動かす系の芸能人か。バックダンサーとかか?
目はまっすぐとこちらを向いている。

ありす「私はあなたに用があります。まだ助けてもらったお礼を言ってません」

この年の女にしてはやや低いが、透き通って凛とした声だった。
さっき死にかけたばかりのくせにもう落ち着いてやがる。なんて肝が据わってんだ。
滑舌もいい。多分歌もやってんな、こいつ。

しかしまーまったくもって意味わかんねーこと言いやがる。なーにがお礼じゃ。アホかこのガキ。疾く去ね。

男「知ったことか!!離れろ!!!」

手加減なくドアから小さな手を引き剥がし、その手を掴んでそのまま遠くに放り遣る。
バランスを崩して後ろに倒れそうになった隙を突いてドアを閉め、急発進させた。
バックミラー越しにガキがこちらを見てるのがわかった。
ミラーのガキはどんどん小さくなる。追いかけてくる様子はない。逃げられる。助かった。


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