28: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2016/11/16(水) 03:54:44.21 ID:HlCOPyga0
2秒もかからず後部座席に放り込み、その瞬間ガキのズボンの右ポケットからスマートホォンを抜き取った。
後部座席のドアを閉め、俺も運転席へ乗り込む。
スマホケースは黒地に金の昇り竜。その周りに、将棋の駒か?
これくらいの歳の女が持つにしてはあまりにあんまりなデザインだ。間違いなく不良系のそれだ。
ただ、それにしてはなんとなく整い過ぎている。
体系だったデザインというか、なんか一本筋が通ってるような。
派手だがシンプル、そう言い表すのがしっくりくる。一点ものかもしれない。
ガキのスマートフォンを俺のとまとめて自分のポケットへ押し込んだ。
カバンも何も持っておらず、このスマホしか持ち歩いていない。
見た限りでは連絡手段はもうないはずだ。このまま車を出す。
急発進、走り出して数刻、車のはるか後ろから怒号やらなんやらが聞こえた気がした。
まずいな、さっきの野次馬みたいに通報されないことを祈る。
声の響き的に遠いが、万が一にはナンバーも見られうる距離だ。
今度こそ確実に捕まる。まかなければ。俺は気持ち強めにアクセルを踏んでそのまま大通りへ出た。
青信号を120km/hで4つ5つほど通過して橋を渡った。やはり運がいい。
バックミラーは見ない。逃げる先を探すのが先だ。
確かこの道をずっと先に走れば河川敷があったはずだ。
そこに停めてから、これからを考えよう。
364Res/131.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。