336: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:19:10.98 ID:pH+2zyDf0
……という、白昼夢を見た。
男「……!」
仁奈「? どうしやがりました?」
337: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:19:38.16 ID:pH+2zyDf0
〜〜〜〜〜
その対面は覚悟に見合わないほどに呆気ないものだった。
とはいえ、疲労にたるんだ体にピシャリと筋を入れてシャキッとするには十分すぎる迫力ではあった。
小屋を出ると、ズラリと並ぶ物々しい連中。
338: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:20:19.57 ID:pH+2zyDf0
この中でも特に物騒な大男が大股で近づいて来て、両手で俺の両手を取って、また頭を下げる。
半袖の薄いワイシャツ越しに黒い森のような体毛が透けて見える。熊かよ。さもなくばゴリラか。
大男「ありがてえ、ありがてえ……なんとお礼を言えばいいやら……
ああ、あなた様は神だ!仏だ!うぅ、ううぅ……!!」
339: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:21:09.08 ID:pH+2zyDf0
〜〜〜〜〜
仁奈は巴たちに連れられて自宅に戻ると言った。
伊藤氏曰く「兄貴に迷惑がかかるようなことには絶対させませんので!」ということらしい。
警察のことを指しているなら、ありがたいことだが。
340: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:21:54.00 ID:pH+2zyDf0
そうして1人になった俺は、二日間ほど停めっぱなしだった愛車を走らせ、水道は戻った暗い家にたどり着いた。
すぐに両親が気にかかった。水道からコップ一杯の水をかっ喰らって、俺は少なくなった燃料を気にしながら病院へと走らせた。
主治医曰く、腫瘍の除去は成功しており、2人とも傷が塞がるのを待つのみとなっていたようだった。
341: ◆t6XRmXGL7/QM[sage]
2017/05/06(土) 23:23:11.11 ID:pH+2zyDf0
水をちまちまと飲んでいると、台所に備えてある包丁立てが目に入った。
こぼれ落ちて、動けなくなった俺。
342: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:24:07.23 ID:pH+2zyDf0
生命保険で、医療費はトントンになるだろう。自殺だと降りないんだっけか。
さっきのヤクザたちに頼んで殺してもらうか?
実は巴に手を出したと嘯けば伊藤あたりがサクッとやってくれるはずだ。
343: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:24:56.00 ID:pH+2zyDf0
しかし肉体は堆積していた眠気に勝てず、死のうとしたという強い意識を最後に、俺はその場に倒れこんだ。
344: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:26:57.53 ID:pH+2zyDf0
逮捕される夢、伊藤氏に小指を切られる夢、
盃を交わす夢、血液になって両親の傷口から垂れ流される夢、
角材になって誰かに座られる夢
鉄骨が砕け散る夢
柔肌を撫でて指が切れる夢
345: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/05/06(土) 23:27:45.57 ID:pH+2zyDf0
さあ。苦しめ。誰もいない辺獄の底で、永遠に苦しむのだ。
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