7: ◆Gm2PgccxcM
2016/11/09(水) 23:46:58.38 ID:XNNgxP530
そうしていると、彼は突然立ち上がり、その拍子にこちらの方を向いた。
そしてなんとも言いがたき柔和な顔をして、にっこりと笑う。
「君は何を描いているのだ、」
「君を写生していた」
普通はドン引きだろう。
「僕はもはや風車を描き終えてしまったよ。」
彼の返答は意外だった。
「俺は、まだ出来ていない。」
「そうか、」
そう言うと、あいつはそのまま再び腰を下ろし、元の姿勢になって、
「描きたまえ、僕はその間にこれを直すから。」
その時の自分の顔は、さぞ愉快なものだったであろう。
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