過去ログ - 山城「その声……もしかして、時雨なの……?」
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31:名無しNIPPER[saga]
2016/11/14(月) 22:29:17.48 ID:5CF37Sx6o
これを思うと、僕は今でも胸を焼かれるような悔しさを感じるよ。


僕にはもう艦娘として皆と海を駆けることができない。たとえ今、僕がどんな動きで敵を翻弄して、どうやって君を、皆を守ろうかとか考えたところで、もうそれを海で披露することは決してないんだ。しかも、僕の頭は日毎に犬に近づいて行く。


どうすればいいの、僕の空費された過去は? 僕は悔しくてたまらない。


そういう時、僕は、向うの山の頂の岩に上って、空谷に向って吠えるんだ。悲しみを誰かに訴えたかったんだ。


僕は昨日も、あそこで月に向って咆えた。


誰かにこの苦しみが分って貰もらえないかなって。けど、獣たちは僕の声を聞いて、怖くなって、逃げるだけ。


山も樹も月も露も、一匹の犬が悲しくて遠吠えをしているとしか考えないと思う。


地面に伏せて嘆いても、誰一人僕の気持を分ってくれる人はいない。


ちょうど、艦娘だった頃、僕の傷つき易やすい内心を誰も理解してくれなかったように。僕の毛皮の濡れたのは、夜露でだけじゃないんだ。


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