過去ログ - フレデリカ「ポッキーゲーム!ごっこ」
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◆TDuorh6/aM
[saga]
2016/11/11(金) 17:15:11.45 ID:gN6PUL7MO
最初に動いたのはーー文香だった。
フライング前提で動いていた彼女が手にしたポッキーを振り上げる。
まだ他の三人は動き出せていない。
そのまま振り下ろせば、その時点で一人は脱落していただろう。
…振り下ろせれば、の話だが。
しかし、彼女がポッキーを振り切る事はなかった。
ブォンッ!と風をきる音と共に、肇が予備動作もなくポッキーを横振りにする。
その凄まじい風圧によって文香は一歩仰け反り、結果として攻撃は不発に終わってしまったのだ。
苦虫を噛み締めるかの様な表情をする文香をおいて、次いで動いたのはフレデリカ。
手にしていた箱から数本のポッキーを取り出し、凄まじい速さで投擲。
その全てが他三人の口に華麗に収まり、一瞬の油断を生んでしまう。
そして絶好の機会を逃す程、フレデリカは甘くない。
一瞬にして肇との距離を詰め、鋭い一撃を繰り出そうと腕を引いた。
しゅんっ、と目にも留まらぬ速さで振り抜かれた攻撃を、しかし肇はポッキーで起動を逸らし事なきを得る。
驚異的なスピードで剣戟を交えたのにも関わらず、互いのポッキーへとダメージは全く無い。
一度体制を立て直す為に、フレデリカは背後へ跳んだ。
「…そこ、です!」
しかし、着地地点には先回りし構えを見せる文香。
空中では自由に動く事が叶わない。
これで終わり、と。
その場にいた誰もが確信していた。
…フレデリカ自身を除いて、だが。
クルんっ、とポッキーを縦に一周させ、無理矢理風圧で跳ぶ軌道を変えたフレデリカ。
遅れて聞こえてくる風の音、次いで着地音。
まだまだ決着には早いんじゃない?と嘲笑うかの様に華麗な着地を見せ、ここで一旦静寂が訪れた。
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