過去ログ - 【ペルソナ5】死がふたりを分かつまで【佐倉双葉SS】
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210:息子の覚悟[saga]
2017/01/04(水) 17:39:10.57 ID:2RB1/Mga0

「言ったよな、その場の勢いとかは止めてくれって」

「すみません」

深い溜息を吐くと、惣治郎は煙草を一本取り出し、火を点ける。

静かに吸い込むと、長く細い紫煙を吐き出した。

珈琲の香りの中に煙と共に煙草の匂いが溶け込んでいく。

二、三度煙草をゆっくり吸った後、灰皿に灰を落としながら、ぽつりと言った。

「お前くらいの年じゃな。やりたい盛りの男に任せた俺が馬鹿だったか…」

鉛を飲み込んだような申し訳無さが胸を占める。

惣治郎の信頼を裏切ってしまったのだという罪悪感が。

しかし、胸に去来したものはそれだけではなかった。

罪悪感に負けない程の強い反発心。

「待ってください。俺はいい加減なつもりで双葉とそうなったつもりはないです」

「ほぅ?」

若造の青臭い言葉と切って捨てられるかもしれないが、自分と双葉は真剣だった。

その場の勢いに任せてであるとか、物の弾みで一線を越えた訳ではない。

互いの背負ってるものを背負い合うと誓った。その上で覚悟を持って身体を重ねたのだから。

「いい加減じゃねぇっていうのは、どうするってことだ?」

「責任は取ります」

「責任て…お前…」

言い切った言葉に惣治郎は呆気に取られたように目を見開く。

咥えた煙草からポロリと灰が零れるのにも気づかない。

「勿論、今すぐというのは無理ですけど、俺は、双葉と“そういう形で”家族になりたいと思っています」





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