12:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 00:06:48.87 ID:GrHOvZzd0
公園のベンチに小町が座り、足をぶらつかせている。
「ほれ」
「……ありがと」
自動販売機で買ってきたカフェオレを小町に渡す。俺は安心と信頼のマッ缶。
カコッという音をたてて蓋をあけ、口に流し込む。冷えた手と体が温まる。
一方小町はチビチビと口に含んでいる。表情はまだ暗い。
「……一色は少し小町に似ているな」
小町が驚いた表情で俺を見る。
この反応からして俺の推察は当たっているだろう。少し恥ずかしいが。
「俺は小町の兄貴で、小町は俺の妹だ」
「……当たり前じゃん」
そう言って小町は抱き着いてきて胸に顔を埋める。ゆっくりと優しく背中を撫でる。
「……また今度一緒に出掛けようね」
「……可愛い妹のお願いなら仕方ないな」
「お兄ちゃんは小町の事大好きだもんね!」
そう言って小町は胸から顔をはなし、花が咲いたような笑顔を見せる。
このままだと妹離れはまだまだ先になりそうだ。というか一生したくないまである。
1月の夜。吐く息は白く、黒い背景に星が輝く空。寒い夜程空が綺麗とどこかで聞いたような気がする。
だがマッ缶のおかげかそれは気にならず、繋がれた右手は温かかった。
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