4: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2016/11/17(木) 01:11:58.08 ID:IIwdgjic0
窓の外で流れる景色に目をやると、色づいた木々が街灯に照らされています。
時折吹く木枯らしがその葉を巻き上げていく様に、過ぎ行く秋を感じる私なのでした。
外を歩いている際は、寒さばかりに目がいってしまい、終ぞその美しさに気付くこともありませんでしたが、暖かな車内から眺めるそれらは格別のものと言えます。
「画になるね」
「……はい?」
「いや、秋の景色と文香。いいなぁ、って」
「……であれば、それはきっとプロデューサーさんのおかげかと」
「ん? どういう意味?」
「きっと、この暖かな車内でなければ景色を眺める余裕などなかったので」
「あー、寒いもんね」
くすくす笑ってプロデューサーさんはそう言います。
「そういうことです」
釣られて私の頬まで緩んでしまいました。
軽快に走る車。色鮮やかな木々。弾む会話。……自然と綻ぶ貴方と私の顔。
なんでもない秋の一頁も、こうして誰かと語り合えば掛け替えのないものに変わるのでしょう。
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