6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2016/11/17(木) 01:24:19.66 ID:IIwdgjic0
* * *
「ふぅ」
あとがきまでしっかりと読み終えると、息が漏れました。
本をぱたんと閉じて、「んー」と唸りながら凝り固まった体をほぐします。
余韻に浸りつつ、内容を反芻しているとプロデューサーさんから声をかけられました。
「終わった?」
あ。
またやってしまいました。
「声をかけてくださればよかったのに……」
「随分と熱中してたみたいだったから。それより、ご飯。今日も行くだろ?」
気にしてないよ、とでも言うかのようにプロデューサーさんは話題を切り替えました。
このようにレッスンやお仕事の帰りは、プロデューサーさんとご飯に行くことが通例でありました。
ですからプロデューサーさんは私が本を読み終わるのを見計らって、先ほどのように声をかけてくださるのです。
したがって、最近はプロデューサーさんのお仕事が終わり次第、本を閉じるようにしていたのですが、秋の景色に当てられたのか、時間を忘れ読み耽ってしまいました。
プロデューサーさんが待っていることを知りながら、読み耽ってしまったのでした。
申し訳ない気持ちで胸がいっぱいです。
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