過去ログ - 聖來「スプートニクの描く夢」聖來「スプートニクの描く夢」 -SS速報VIP

過去ログ - 聖來「スプートニクの描く夢」聖來「スプートニクの描く夢」

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2:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:46:15.90 ID:8h1iO+pT0
目を開けると、暗闇だった。

ボンヤリと灯る禁煙マークを見詰めながら欠伸を一つし、伸びをしようとして腕が支え、自分が機上の人間なのだと思い出した。

ビジネスシートの寝心地はエコノミークラスとは比較にならないほど良いのだが、寝返りをうてないのには正直参った。

以下略

3:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:46:52.60 ID:8h1iO+pT0
「皆様、当機は間もなくジョン・F・ケネディ国際空港に到着いたします。現地は只今6:45、空港周辺の天候は晴れとの事です」

機内アナウンスを聞いて窓の外に目を向けると、マンハッタン島の影が見えていた。

「見えて来たね」

以下略

4:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:47:23.30 ID:8h1iO+pT0
「うおお……」

「おっきいね、何もかも」

いや全く、何もかもがデカい。

以下略

5:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:47:56.70 ID:8h1iO+pT0
旅にトラブルは付きものだ。
それを楽しむのも、旅の醍醐味と言えるのだろう。

だが、楽しめないトラブルこそ、楽しもうとする者の前に立ちはだかるものだ。
それはきっと、人生の醍醐味なのだろう。

以下略

6:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:48:26.12 ID:8h1iO+pT0
「……？大丈夫、Ms.セーラさんの部屋、ダブル。しっかり眠れます」

タイソンさんは「何言ってんのお前？」みたいな顔で理性の抵抗を粉々に打ち崩した。

いやいやいやタイソンさんや、それは駄目って言うんだよ。

以下略

7:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:48:52.67 ID:8h1iO+pT0
部屋に荷物を置き(メッチャいい部屋&ソファあった！)、ここからは、しばし聖來とは別行動となる。

今夜の公演を前に、聖來は地下のレッスンスタジオで軽く体をほぐし、俺は舞台設営に立ち会い、スタッフに挨拶し、そのまま打ち合わせ、その後合流して午後からはリハーサルだ。

まずはレッスン担当のトレーナーさんに挨拶に行こうと聖來に同行し、俺たちは思わず顔を見合わせた。

以下略

8:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:49:29.78 ID:8h1iO+pT0
舞台監督や照明監督、音響監督や衣装監督、中継してくれるテレビのカメラマン達との挨拶もそこそこに、最終打ち合わせは始まり、呆気なく終わった。

事前にネット会議で擦り合わせておいたプランを現場で確認する作業は、丁寧な現地スタッフの仕事で瞬殺された。

流石ショービジネスの本場だ、舞台も簡易照明も、見事に共有イメージを具現化している。

以下略

9:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:50:02.75 ID:8h1iO+pT0
(さて、今日はどこで崩しを入れて来るか……)

聖來が新しい自分を見せ付けるために、俺ができることを考える。

彼女のアドリブを必死に探る。

以下略

10:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:50:31.45 ID:8h1iO+pT0
ウォームアップのレッスンを終えた聖來がアリソンと共に舞台袖にやって来たのは、午後に入ってすぐだった。

すっかり打ち解けて笑い合う様子は、年相応の女性らしさに溢れている。
よかったな、付け焼き刃とは言え英語勉強して来て。

以下略

11:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:51:23.90 ID:8h1iO+pT0
ゲネプロがまもなくと言うタイミングで、下地のメイクだけを済ませた聖來が、ワインレッドのイブニングドレスに太腿まである編み上げのブーツを履いて舞台袖に現れた。

「……どしたの？そのドレス」

「あ、アリソンがこれ着てパーティー行けって言うから……」

以下略

12:名無しNIPPER
2016/11/17(木) 01:51:51.22 ID:8h1iO+pT0
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