12: ◆ULuwYLs/ds[sage]
2016/11/18(金) 18:43:11.63 ID:GyAl+0mHo
「お、そろそろかな?」
車掌さんのアナウンスに耳を傾けながらプロデューサーさんが私の肩を叩く。
ぐぐぐ、と電車がゆっくりと止まっていって、ブザーが鳴って、ドアが開くと同時に、せき止めていた川の水があふれ出る様に、人が流れ出していく。
「よっと。大丈夫か?」
プロデューサーさんが私の手を取って助けてくれたおかげで、なんとか私自身も流れずに済んだ。
プロデューサーさんも良かった良かったって言いながら手を離す。
「……あっ」
「ん? どうした?」
「いえ、なんでもありません」
そっかなら行くぞ、とプロデューサーさんが前を歩く。
私もそれに付いていく、渇いた秋風が、また頬をかすめた。
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