過去ログ - 八幡「俺が仮面ライダーに……?」
↓ 1- 覧 板 20
42:くすっち[saga]
2016/12/04(日) 16:16:38.08 ID:PnNgonjN0
俺達が家庭科室に着くと、当然だが由比ヶ浜はすでにいた。
「ごめんなさいね、遅くなって」
「ううん、私も今来たところ」
そんなはずはないのだが。俺達は鏡の世界にきてからここに来たんだから。まぁ由比ヶ浜はそういう奴なんだろう。
「そう、では、始めましょうか」
「で、俺は何すればいいの?」
「あなたは味見をしてくれればいいわ」
……それ絶対俺必要なかっただろ。
まぁいいか。働かなくていいんなら働かない。働いたら負けだ!
手早く準備を終えると、雪ノ下はエプロンをつける。
「曲がっているわ。あなた、エプロンもまともに着れないの?」
「え、エプロンくらいきれるもんっ!」
しかし、由比ヶ浜はなかなかに苦戦しているようだった。
「ほら、やってあげるからこっちに来なさい」
「いいの、かな」
「早く」
逡巡した由比ヶ浜の態度を雪ノ下がぶち壊す。想像はしてたけど、こいつ誰にでもこんなな
んだな。
「ごごごごめんなさい!」
ごごごってお前ゴゴゴゴーレムかよ。なかなか堅いよね。
「なんか、雪ノ下さんってお姉ちゃんみたいだね」
「私の妹がこんなできの悪いわけないけどね」
ため息をつく雪ノ下。
「ムーーー、失礼なっ!見返してやるんだからぁっ!」
いよいよ調理が始まった。由比ヶ浜の作業ペースは意外に早い。
「さて、と……」
ある程度作業が進んだところで、由比ヶ浜がインスタントコーヒーを取り出す。
「コーヒーか。確かに飲み物はあったほうがいいよな。気が利いてんじゃん」
「はあ?違うよ。これは隠し味。男子って甘いもの苦手でしょ?」
そうでもないと思うが。それに仮にそうだとしても、クッキーにコーヒーを入れるのは違う
だろ。
そんなこんなで、由比ヶ浜の調理方法はめちゃくちゃだった。
結論というか、今回のオチ。由比ヶ浜には圧倒的に料理のスキルが欠如していた。できるで
きないの問題ではない。最初から存在していない。SAOで魔法を使おうとするとかそうい
うレベル。
不器用なくせに大雑把。下手くそなくせに独創的。どこかのラノベで「下手の一念」という
造語があったが、料理は思いでどうこうなるものではない。
60Res/76.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。