過去ログ - 八幡「俺が仮面ライダーに……?」
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44:くすっち[saga]
2016/12/04(日) 16:18:34.51 ID:PnNgonjN0
「うう、でも、私の占いは当たるんだよー。それに、みんなこういうのやらないっていうし

……。向いてないんだよ」

由比ヶ浜は愛想笑いを浮かべる。

「……その周囲に合わせようとするのやめてくれないかしら。ひどく不快だわ。自分ができ

ない原因を人に求めるなんて、恥ずかしくないの?」

雪ノ下の語調は強かった。正論だ。まごうことなき正論。しかしもう少し言い方というのが

あってもいいと思う。

正しいからというだけで納得できる人間などほとんどいない。人は、感情で生きる生き物な

のだから。

「……」

由比ヶ浜は黙りこむ。ここまで否定されたのだ。その心境は押しはかれば簡単にわかる。

彼女はコミュニケーション能力が高いのだろう。だから、今まで人にここまで否定さ

れることなんてなかったはずだ。

自分に迎合しようとする人間を強く否定する者は少ない。

しかし雪ノ下はそんなことお構いなしだ。味方を作らず、しかもそれでいて、一人で乗り切

れる能力を持った彼女には、人の痛みなどわからない。

いや、わかっても気にしないというのが正しいのか。だから彼女には、人が救えない。

彼女たちは、まったく正反対の存在なのだ。相入れなくて当然だろう。

俺には、由比ヶ浜が怒って帰る未来が見えていた。

「か……」

ほらね、やっぱり。帰るっていい出すんだろ?そのくらいわかってるわかって……

「かっこいい……」

「「は?」」

俺と雪の下の声が重なる。

「建前とかそういうの全然言わないんだ。そういうのって、すごくかっこいい!」

由比ヶ浜が熱い目線で雪ノ下を見つめる。

雪ノ下は若干、いやかなり戸惑っていた。

「な、何を言っているのかしら。私、結構きついこと言ったと思うのだけれど……」

「ううん!そんなことない!確かに言葉はひどかった。でも、本音って気がするの」

違う。こいつは言葉をオブラートに包めないだけだ。

「ごめんなさい。ちゃんとやるから、力を貸してください」

由比ヶ浜は逃げなかった。どころか、あの雪ノ下が押されている。

雪ノ下にとっては初めての経験だっただろう。正論を言われてちゃんと謝るやつは少ない。

「正しいやり方を教えてやれよ」

「……一度手本を見せるから、その通りにやってみて」

「うん!」

彼女たちの表情は一様に明るかった。

ま、料理がうまくいくかどうかは別だけどな。



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