過去ログ - 八幡「俺が仮面ライダーに……?」
1- 20
47:くすっち[saga]
2016/12/07(水) 13:19:36.70 ID:LuJsIg2F0
出来上がった雪ノ下のクッキーはとてもうまかった。

「もうこれを渡せばいいんじゃねぇの?」
「それじゃ意味ないじゃない。さ、由比ヶ浜さん。やってみて」
「うん!」

そして、二回目の彼女の挑戦が始まった。

「そうじゃないわ、もっと円を描くように……」

「違う、違うのよ、それじゃ生地が死んじゃう」

「由比ヶ浜さん、いいから。そういうのはいいから。レシピ以外の物を入れるのは今度にし
ましょう」

「うん、だからね、それは……」

あの雪ノ下が困惑し、疲弊していた。額に汗が浮かんでいる。

何とかオーブンに入れた時には、肩で息をしていた。

「なんか違う……」

焼きあがったクッキーを見て由比ヶ浜が言う。食べてみると、雪ノ下が作ったものとは明ら

かにレベルが違う。

「どうすれば伝わるのかしら……」
雪ノ下は持つ者ゆえに、持たざる者の気持ちがわからない。優秀な人間は教えるのもうまい

というのはただのまやかしだ。あやかしだ。あやかしがたりだ。みんな買ってね!

「フッ!」

「あら、何かしら比企谷君。喧嘩を売っているの?」

「いやいや、お前らのやってることがあまりにもバカらしくてなぁ。思わず笑っちまったん

だ。わりい」

「なんかムカつく!」

「まぁ見てろよ。俺が本物ってやつを教えてやる」

「そこまで言うからには、たいそうなものができるんでしょうね。楽しみだわ」

雪ノ下が完全に冷たい目をしていた。

「ああ、十分後にここにきてくれ。格の違いを教えてやるよ」

そして十分後、彼女たちが戻ってきた。

「ほら、由比ヶ浜。食ってみろ」

「ええ?あんだけ言ってたわりにはしょぼくない?形も悪いし色も変だし……」

「ま、そう言うなって」

「そこまで言うなら……」

由比ヶ浜は恐る恐るという感じでクッキーを口に運ぶ。雪ノ下もそれに倣う。

すると、雪ノ下の表情が変わった。どうやら彼女は察したようだ。

「別にあんまりおいしくないし、焦げててジャリってする!はっきり言っておいしくな

い!」

「そっ…か、おいしくないか。わりい、捨てるわ」

「え!?べ、別に捨てなくても」

その言葉を無視して、俺はクッキーを持ってゴミ箱の方に向かう。

「待ってったら!」

由比ヶ浜が俺からクッキーをひったくる。

「捨てなくてもいいでしょ!言うほどまずくないし……」

「そうか?なら、満足してくれたか?」

「うん」

「ま、お前が作った奴なんだがな」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
60Res/76.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice