過去ログ - 唯「夢みる少女じゃいられない」
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28:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/27(日) 18:48:06.00 ID:WwkYnpYs0




東京の夜は心なしか、涼しく感じる。
四方を山に囲まれたわたし達の町と違い、真夏とはいえ夜になると少しひやりとする。
都会の空は星が見えない、という先入観があったけれど、そうでもない。
鮮やかな星空、とはいかないものの、全然見えないわけでもない。ってやつ。普通。

「唯、ホテルどこだっけ?」

「なに言ってんの。りっちゃんち泊まるって言ったじゃん!」

「ありゃ? そうだっけか?」

唯ちゃん、飲む? ムギちゃんがアクエリアスを差し出した。夜道に自販機が明るく光っている。
わたし、どっちかっていうとポカリのほうが…まぁいいか。好意を無下にはできません。

りっちゃんはわたし達から少し離れて誰かに電話し始めた。
眩しい自販機の逆光が、りっちゃんの全身を黒く塗りつぶす。



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