過去ログ - 祥鳳「剣崎さん!」 剣崎一真「全ての人と艦娘を守る、それが俺の仕事だ!」
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3: ◆li7/Wegg1c[saga]
2016/11/28(月) 16:01:59.74 ID:Hsa8pKZ70

曇り空の砂浜。そこを一人の少女が必死で走っていた。黒髪が風に靡き、水飛沫が飛ぶ。

その少女は、元艦娘だった祥鳳だった。

彼女は砂浜を走り、必死に逃げていた。黒い靴が砂で汚れるのも構わず、彼女は走った。

彼女を追っているのは、同じ仲間であるはずの艦娘、如月であった。

「あらあら、まだ逃げるの〜?」

「やめて、私は敵じゃない! なんでこんなことするの如月ちゃん!?」

だが、彼女に祥鳳の言葉は通じない。如月の脳内には、祥鳳の言葉は全て滑舌の悪い不格好な言語となって響いていた。なにより、祥鳳の姿がはただの空母ヲ級にしか見えていなかったのだ。

如月はにっこりと笑い、逃げる彼女を何度も何度も撃った。そのさまは獲物を楽しそうに追い詰める猟犬のようでもあった。

そして、彼女を追い詰めるのは駆逐艦だけではなかった。

「待ちなさい、深海棲艦!!」

「瑞鳳……、やめて!」

祥鳳の妹、瑞鳳までもが彼女を深海棲艦と言い放って追跡してきた。

「沈みなさい、深海棲艦!!」

瑞鳳は容赦なく爆撃を開始した。爆撃により、祥鳳の逃げ場は徐々に狭められてゆく。祥鳳は焦った。なにより、大事な妹がこんなことをすることが信じられなかった。

「あぁぁっ!」

如月の執拗な砲撃が祥鳳の足を掠めた。その衝撃で彼女は足を痛め、派手に転んでしまった。

「うぅ……」

破壊者の異名を持つ駆逐艦の少女はスキップを踏むようにして陸に上がると、激痛に苦しむ祥鳳の脚を踏みつけて銃口を額に突きつけた。

「さあ♪ 如月が今、楽にしてあげる♪」

「あ、あぁ……」

ダメ、殺される……!

祥鳳は、なんとか逃げようと脚を動かしたが、どうにもならなかった。

「さあ、ヲ級ちゃん……。痛みは一瞬よ?」

「い、いや……」

絶望に震え、祥鳳の目に涙が浮かんだ。

その時、彼女の脳裏にある男の姿が浮かんだ。

剣崎一真。彼女を一度助けてくれた、緑色の血の男。

「助けて! 助けて、剣崎さぁぁん!!」

祥鳳は思わず叫んでしまった。彼が、この場にはいないにも関わらず。

その時、不思議なことが起こった。



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