17:名無しNIPPER[saga]
2016/12/02(金) 23:38:30.33 ID:SUVwnHv40
少女「……わたしも、一粒もらってもいいですか?」
マスター「え……? は、はい、どうぞ……」
戸惑っているような表情を浮かべて、おずおずとマスターさんが持っていたコーヒー豆を差し出した。
それを摘まんで、口に運ぶ。
少女「ん……えへへ、苦いですね」
マスター「少女さん……」
なかなかの苦味があり、ブラックでコーヒーを飲むことのできないわたしには、美味しいとはとても思えない。
でも、コーヒー好きのマスターさんにとっては美味しいものなのだろう。
少女「すみません、びっくりさせてしまって。 てっきりネズミがコーヒー豆でもかじっているのかと思ってしまいました」
マスター「あっ、いえそんなっ! そもそもお店をほったらかしにしてしまって申し訳ありませんっ!」
少女「わたしもお仕事に慣れてきましたし、大丈夫ですよ。 マスターさんのお陰です。 ……それより、ずっとコーヒー豆を食べてたんですか?」
マスター「……」
すっ、とマスターさんが目を逸らす。
……あのお客さんが言っていた通り、今日は本当にマスターさんの珍しい姿をよく見る日だなぁ。
少女「……あっと、わたしお皿洗ってますね」
マスター「あ、はい。 お願いします……」
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