過去ログ - 大淀「甲乙丙からお選びください」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/12/03(土) 22:34:30.61 ID:hZb5upw2o
「おはようございます!」

今日も朝が来た
毎朝私のことを起こしに来てくれるこの少女は五月雨というらしい

「朝ごはんはできていますよ!今朝はさんまの焼いたのとお豆腐のお味噌汁です!」

数日前から私はこの少女にお世話になっている
少しおてんばなところがあるが、私のことを気にかけてくれる優しいいい子だと思う

「ほら!早くしないと冷めちゃいますから!行きましょ?夕張さん!」

私はどうやら夕張という者らしくこの少女に慕われていたようだ
数日前に目が覚めたとき私のベッドに倒れかかるように寝ていた
ピンクの髪の女(後で知ったが明石というらしい)が言うには、どうやら私は戦闘で大きな損害を受けて瀕死の状態だったらしい
それを何日も寝る間も惜しんで看病してくれていたのがこの少女だという
私が目を覚ましたときに泣いて喜んでいた
明石から記憶に障害があると説明されていたときの彼女の目は、どこか悲しげに見えた

「夕張さん?」

「ごめんね?少し考え事してたの。それじゃあ行こっか」

「はい!今日のご飯は自信がありますから!楽しみにしててくださいね!」

あぁ、この笑顔だ
この笑顔を見ていると何故だか気持ちが落ち着く
知らないはずなのにどこかで知っていたような
そんな暖かい笑顔を彼女は私に振り撒いてくれる

「ありがとうね…五月雨さん…」

私は聞こえるか聞こえないかといった声量で彼女に感謝の言葉をかける

「いつか…きっと取り戻して見せますね…待っていてください…夕張さん…」

彼女は小さな声でそう呟いた
彼女は私の知らない私のことを探している
少し、寂しさを覚えた


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