過去ログ - 【モバマス短編集】「私が居たから」
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12: ◆oeRx5YHce.[saga]
2016/12/04(日) 01:58:01.73 ID:r1h6adL+0
「……お、奈緒? 大丈夫?」
ふんわりと乙女の香りがする。
声の方向を見やると、眉根を潜めた加蓮が覗き込んでいた。
「あ、加蓮。どうしたんだ?」
「どうしたはこっちのセリフ。なんか今日おかしいよ?」
今日はスケジュール確認のためだけに事務所に寄った。
凛もPさんもいなかったことにほっとしたのか、ソファーでぼーっとしてたみたいだ。
「そんなこと……ないだろ」
「あります。ほら、お姉ちゃんに話してごらん?」
「あたしのほうが年上だ」
「ほら、いつもみたいに元気ないじゃん」
「…………。」
くちばしを作って床を見ていると、小さく「ふぅ」とため息が聞こえた。
不意に右腕がグイッと引っ張られる。
「行こ?」
我ながら情けないけど、今は少し困り顔の加蓮に甘えたくなった。
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