180: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/25(日) 20:32:56.04 ID:W711z8WcO
隙が生じた彼女の、その腹部に、お返しとばかりに銃弾を連射。
「しぶりん…!」
至近距離からの攻撃に、吹き飛ばされる彼女。
本来ならそこにさらに猛追したいところだが、まだ自分の脚は動こうとしない。
「…ちょっと…本当痛いんだけど…!」
脚は指先まで震え、立つ力を失った。
酸素を求め、器官が行動を制限する。
争いを知らない彼女の身体に、そのダメージは大きすぎた。
「…」
しかし、それは向こうも変わらない。
奇跡的にではあるが、同じ箇所に複数回、至近距離からの銃弾を喰らった彼女も、すぐに起き上がれないでいた。
静かになったと目を開け、その様子を見る、美嘉。
何とか起き上がり、ふらつきながらも相手を倒そうとする両者。
その目的は、同じ。
助けたいという、優しさ。
助けたいという、本能。
「…!」
銃を構え、再び引き金を引こうとする。
この距離ならば、いくらスピードがあっても当たるのはこちらの攻撃。
分は未央にあった。
「…」
声が届かない。
何度でも起き上がり、向かってくるならば。
もう、元に戻らないのならば。
「…」
しかし、この戦いに勝利するということ。
それすなわち、凜を殺すということ。
「…ッ」
それこそ、最悪の結末。
元に戻れたとしても、彼女は帰らない。帰れない。
「…」
未央が、最終的に出した答えは。
「…ごめん。美嘉姉…」
「えっ…」
「私、美嘉姉の事、守れなかったよ…」
「…!!未央!!!」
214Res/201.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。