187: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/25(日) 20:38:22.91 ID:W711z8WcO
「…」
「…!」
凛はこちらを向いたまま、微動だにしない。
だらりと腕を下ろし、襲ってくる気配も無い。
「…ッッ!!」
対する未央も引き金に指をかけるが、撃つことが出来ない。
増幅した、憎しみ。
引き金を引くには、十分な感情。
だが、撃てない。
憎めば憎む程、未央の頭に過るもの。
それは、笑顔。
それは、泣き顔。
それは、怒った顔。
それは、困った顔。
フラッシュバックしていく、凜の、様々な顔。
「…!!」
自分の意思とは関係なく、涙が溢れる。
下唇を噛み、堪えようとしても、それは止まらない。
アマネの血に塗れた己の、手。
これをやったのは、凜。
「…何で…!!」
決して許しては、いけない。
「…どうして、私達なの…!?」
しかし、悪いのは彼女ではない。
そして、自分は彼女が大事だ。
「…どうして私達がこんな目に合わなきゃいけないの…?」
怒りの中でも、彼女は抗い続ける。
必死に、凜の事を思い続ける。
214Res/201.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。