27: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/07(水) 22:36:34.28 ID:+F7bQ51XO
何故、このようなことになったのか。
「…しまむー」
卯月は相変わらず少年を撫で続け、こちらに気付く様子は無い。
それに、彼女の格好もおかしい。
「…その格好…」
血で汚れてはいるが、はっきりと分かる青と白の、強固な鎧。
彼女の隣に落ちている、女子供が持つには苦労しそうな、剣と思しきもの。
「…」
角の生えた、兜。
今この状況下で、コスプレと判断するのは間違いだろう。
間違いであって欲しい気持ちもあるが。
「…しまむー…ごめんね。この子、もう…」
卯月から少年を取り上げる。
だが、その時だった。
「…!」
卯月の目に光が戻り、少年をがっしりと掴む。
その衝撃で、少年の傷口から血が飛び散る程に。
「!しまむー!!」
「……え?……未央……ちゃん…?」
ようやく、卯月が意識を取り戻したのだ。
「…あ…」
最もそこには、あまりにも辛い現実が待っていたのだが。
「…カズマ…君…」
「…カズマって、言うんだ。この子…」
「…嫌…」
「…」
「…ッッ」
山中に卯月の叫び声が響いたのは、未央の予想の範囲内だった。
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