30: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/07(水) 22:39:34.23 ID:+F7bQ51XO
「あ!カズマが連れてきたお姉ちゃんだー!」
「お!似合ってるねー!」
「ど、どうも…」
「…あれ?なあにカズマ、そのおっきなタンコブ」
「な、なんでもねーよ」
「ウヅキちゃんの着替え覗こうとしたんだよ」
「そんなつもりねーよ!!話しかけただけだろうが!!」
「わー!カズマへんたーい!」
「へんたーい!」
「うっせー!!」
「…」
「ごめんねぇ。チビ達がうるさくて」
「い、いえ!そんなこと…」
相変わらずこの世界がどうなっているのかは分からない。
それとなく今日の月日を聞いてはみたが、年月日全てが自分のいた世界と一致する。
違いと言えば、近代文明は無く、皆が自給自足の生活をしている事。
それと、あの化け物レベルの生物が普通に存在しているという事。
「山奥は危ないよ。アイツらが巣を作っているからね」
「…でも、だったらここも…」
「アイツらは火を嫌うんだ。だから村の周りには絶えず火がくべてあるのさ」
「…」
そして、もう一つ分かったこと。
この村の人々は常にあの化け物達に怯え、生活しているということだ。
「だから雨の日は最早神頼みなんだよ。家の中で火をくべてやり過ごすくらいだしな」
「…え…」
そう肩を竦め、溜息混じりに語るカズマ。
だが、そんな経験があるわけもない卯月には聞いているだけでもかなりの恐怖を感じるものだった。
「そう怯えんなって…そ、その、まあ何だ、俺がー…また助けてやっからよ!」
「え…」
「何生意気言ってんだい。子鹿みたいに足震わせて」
「う、うるせえな!!それが命からがら帰ってきた息子に対する言葉かよぉ!!」
「あはは。良くやったよ。ウヅキちゃんももう、あんなとこに近寄るんじゃないよ」
「は、はい」
「元に戻ったって命が無きゃあねぇ。まずは生きることを優先しなよ」
「…はい」
この世界では、自給自足。
いつ魔物に襲われるか分からないギリギリの状況で、皆生きている。
その説得力に、卯月はただ頷くことしか出来なかった。
214Res/201.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。