39: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/07(水) 22:52:37.54 ID:+F7bQ51XO
卯月が腕を横に振るうと、その手にまるで初めからあったかのように、青白い大剣が現れた。
誰に教えられたわけでもなく、卯月はそれを逆手持ちに構え、何かの合図があったわけでもなく、ムカデの大群に突っ込んでいった。
「…」
一体、今、何が起こっているのか。
あの、泣き虫でか弱く、しかしとても優しい女の子は今、何処にもいない。
目の前にいるのは、二種類。
殺す者。
殺される者達。
「…」
たった一振りで、あの化け物達をいともたやすく真っ二つに切り裂いていく。
「…」
やがて、最後の一匹。
あの、一番大きなムカデ。
カズマが身体を張って追い払った、あの大ムカデだ。
だが、卯月は一切表情を変えることなく、あの大剣を左手に持ち替える。
よく見ると、その剣には卯月の持っていたものと同じものが刻まれている。
卯月はまるで初めから分かっているかのように、それを通す。
『SLASH』
すると、大剣はそれに呼応するかのように、光を放ち始める。
きっと、終わらせる気なのだろう。
今度は剣を両手で持ち、脇に構える。
相手もまた、卯月に狙いを定めている。
「…!」
『…!!』
両者の、激突の瞬間。
腹部に何かが当たった感触がして、そこでカズマの意識は途切れた。
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