56: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/12(月) 21:17:23.96 ID:lzTNMFTYO
「…」
「…」
二人の間に、会話は無い。
ただ、あてもなく歩くだけ。
何処か、くつろげる所はないか。
食事を取れる場所はないか。
それよりも、気を休めることの出来る場所はないか。
『グウウウウ…』
「…あ…」
「…」
その音を鳴らしたのは、未央。
卯月と違って、昨日から水以外口にしていない代償が、ようやくやってきた。
育ち盛りだからこそ、腹が減るのが早い。
だが、それをどうこう言う元気も、今の二人には無い。
それは、体力的なものではなく、精神。
多感な時期の彼女達には、あまりにも重過ぎる運命。
「…当面は、どうやって生き延びるか、だねぇ…」
「…そうですね…」
命より大事なものはない。
そう教えられた二人は、現代に戻る事は後回しにすることにした。
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