66: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/12(月) 21:26:58.46 ID:lzTNMFTYO
極度のストレスと環境によって研ぎ澄まされた感覚。
それは数百メートル先の小さな音すら、拾う程。
だから、分かる。
向こうから、何かが猛スピードで迫ってきている。
何かまでは判別はつかないが、それは複数。
「…」
「…」
徐々に近づいてくる。
明らかに、こちら側を目指している。
「…しまむー…」
「…はい…」
戦うのは好きではない。
だが、背に腹は変えられない。
限界まで研ぎ澄まされた己の感覚を信じるならば。
彼らは間違いなく、自分達を狙っているということだ。
そしてこのスピードは、尋常ではない。
もしかしたら、殺しに来ているのかもしれない。
そう考えると、自然と身体に力が入る。
「…50m…30…」
残り20m。
嫌な汗をかきつつも、身構える姿勢は崩さない。
「10…」
彼らはもう、すぐそこにいる。
あのカードは自分の意思では使えない為、このままいくしかない。
「…」
そして目の前。
この家の扉を開けたら、目の前だ。
「…?」
だが、入ってくる様子は無い。
「…」
流れる静寂に、拍子抜けしそうになる。
だが、そう感じているのは、未央だけだった。
「未央ちゃん!!ジャンプ!!」
「えっ!?」
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