7: ◆GWARj2QOL2[saga]
2016/12/05(月) 21:04:28.86 ID:XfSadNeEO
「…!……!」
人は、本当の恐怖に対面するとこうなるのか。
極度の緊張からか、声が出ない。
足はすくみ、立ち上がる事はおろか、膝をつくことも出来ない。
ただの女子高生である自分には、何も出来ない。
目の前にいる何かは、自分を捕らえるつもりなのか。
腹の足しにでもするつもりなのか。
「…た…けて…」
その渇いた叫びは、誰にも届くことはない。
つまりは、自分はここで死ぬということだ。
友達や、親。
誰にも知られることなく。
この何処かも分からない山の中で、その生涯を終えるのだ。
『…』
やがて、その何かは姿を現した。
『…』
周りの木々を枝を折るかのように薙ぎ倒し、通る後の地面は抉れ。
やがて、卯月の前に、その巨体を見せつけるかのように。
その大きなムカデの化け物は、上体を起こし、卯月の目の前に立ちはだかった。
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