過去ログ - 花売りの姉妹 -SS速報VIP

過去ログ - 花売りの姉妹

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11: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:47:52.16 ID:ZNz88TFY0
…………

「お金も、ない…花も、ない…どうしよう…どうしたら、いいの…」

前をちゃんと見ていたら、もっとしっかりとお金を握っていたら。せめて大きな声で助けを呼べたら。両手に握られた花とお金はあっという間に悔しさと絶望に変わってしまいました。

以下略

12: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:48:32.53 ID:ZNz88TFY0
「誰か…！誰かお金をください…！」

「妹が病気なんです…！お薬を買うお金を…！」

皮肉にも、花を売っていたときよりも多くの人が凛に目をやります。ある人は同情、ある人は軽蔑、そしてまたある人は嘲笑を視線に乗せて。

以下略

13: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:49:03.56 ID:ZNz88TFY0
…………

すっかり外は暗くなってしまいました。店の閉まった町を歩く人はもう見当たりません。

「……」

以下略

14: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:49:33.13 ID:ZNz88TFY0
「おねえちゃん、おそいから…むかえにきた…よ…」

あちこちを擦りむき、手足はどろだらけ。未央はほとんど倒れ込むように凛の隣で膝をつきました。

「家で寝てないと…だめだよ…」

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15: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:50:01.24 ID:ZNz88TFY0
「未央…ごめんね…」

「おねえちゃん…？」

「お薬…買えなかった…」

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16: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:50:27.85 ID:ZNz88TFY0
未央の顔を見て最後の力が湧いてきた凛は立ち上がって未央の手を握ります。

「未央、帰ろっか。」

「うん…！」

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17: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:51:00.91 ID:ZNz88TFY0
未央の顔を見て最後の力が湧いてきた凛は立ち上がって未央の手を握ります。

「未央、帰ろっか。」

「うん…！」

以下略

18: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:52:04.58 ID:ZNz88TFY0
「ちょっと…ちょっとだけ…休んでから、帰ろっか…？」

「うん…」

「どうせ、家も寒いもんね…」

以下略

19: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:53:30.42 ID:ZNz88TFY0
眠気で二人の意識がだんだんあやふやになっていきます。

「おねえちゃん…」

「なあに…？」

以下略

20: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:54:02.25 ID:ZNz88TFY0
「あっ…」

「ゆき…？」

「きれい…」

以下略

21: ◆99skM4/jE2[sage saga]
2016/12/09(金) 10:54:29.04 ID:ZNz88TFY0
…………

「あー、けっこう積もっちまったなあ。」

一晩降り続けた雪は、町で一番の大通りも真っ白に染めていました。

以下略

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