13:名無しNIPPER[saga]
2016/12/12(月) 20:56:44.54 ID:Liblg4nho
探偵「そうはいっても、ミステリじゃあ、これはよくあるトリックだからねえ」
探偵「多分だけどさ、君は『怪異』なんてものを最初に聞いているから、その先入観が推理の邪魔をしてるんだよ」
探偵「ごく普通のミステリとして考えてみると良いよ」
助手「……ごく普通のって、どんなのですか」
探偵「だからさ、例えば君がふとベランダから外を眺めていたらさ」
探偵「向かいの家の中に、血塗れで倒れている人が見えたとするよ」
助手「はあ……」
探偵「大変だと、君は大慌てで警察や救急車を呼ぶ訳だ。そして、自分自身もその家に向かう」
助手「はい」
探偵「ところが、その家を訪ねてみると、何故か血塗れで倒れていたはずの本人が無傷で出てきてしまった。そして、その家の中には血塗れで倒れている人なんて誰もいやしない」
探偵「おまけに、出てきた本人もそれを否定する。自分はそんな怪我なんてしてないし、この家の中には自分以外誰もいないってね。不思議だろ?」
助手「まあ、そうですね……」
探偵「そして、警察の手によって免許証による本人確認も出来たし、家の中の様子も確認出来たがやはりそこには倒れている人なんていやしない」
探偵「だから、警察はこう結論付ける。見間違いによる誤報だとね。あるいは、君が見たのは現実ではなく幻だったと」
助手「はあ……」
探偵「状況的には化物語もこれと同じなんだ。大怪我をして倒れているはずの人間が、何故か無傷で現れている」
探偵「でも、君は確かに血塗れで倒れているところを『見た』訳だ。つまり、これには何かのトリックがあったという事になるだろ?」
探偵「さて、これはどんなトリックなんだろうか? こういうのは、結構ありがちな話だろ?」
助手「んー……」
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