過去ログ - フレデリカ「怪談ごっこ、その1」
↓ 1- 覧 板 20 
17: ◆TDuorh6/aM[saga]
2016/12/13(火) 16:43:33.98 ID:Y7jwP/KDO
  
  
  
 翌日、不安になった私は茄子さんを探します。 
 けれどタイミング悪く、地方へロケへ行ってしまっていました。 
 ここへ来て一気に不安が募りました。 
 本を開けば、最後の見開き。 
 次のページはありません。 
  
  
 ここで迂闊な事は出来ません。 
 一度現実になってしまえば、過去へ戻ってもやり直しがきかないのですから。 
 けれどその日は仕事が忙しく、自由に動ける様になったのは23時半を回ってしまいました。 
  
  
 流石に焦り、私は茄子に電話を掛けました。 
 けれど、何コールしても出ません。 
 無機質な電子音が、私の焦りを加速させます。 
  
  
 夜道を歩く足が、自然と早くなります。 
 もう23時55分を回っています。 
 どうしよう…どうしよう! 
 他の人に今から事情を説明してアドバイスをもらう時間はありません。 
 茄子さん以外誰にも相談していなかった事が、ここで裏目に出るなんて。 
  
  
 気付けば、私は走り出していました。 
 不安をごまかす為に、明日を迎える為に。 
 この本のページが終わったからと言って、私の人生が終わると決まった訳では無いのに。 
 けれど直感で、不味いと分かっていました。 
  
  
  
23Res/21.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。