過去ログ - 穂乃果「これからも友達で」【ラブライブss】
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名無しで叶える物語(たけのこ饅頭)
[saga]
2016/12/14(水) 21:37:53.49 ID:vRldcILQ0
「どうしたらいいの」
「方法がひとつ、あったんです。もしかしたら....いえ、多分怖いかもしれませんが、聞いてください。...."死ぬ"ことで救えるみたいなんです」
少し動揺したけど、そのままあの子の話を聞く。
「穂乃果は、完全に吸血鬼にはなっていないんですよ。穂乃果自身は自分が人間とは別の存在だと信じ込んでいるかもしれませんが、それは間違いだったんです。小さい頃、何らかの事故にあって、生きるか死ぬかの場面に出くわしたのです。そしてその現場が、ここ"アキハバラ"だった。恐らく当時の穂乃果に親御さんは居なかった」
「"アキハバラ"にはかつて吸血鬼のテリトリーがいくつもあったと言われています。そのどこかで穂乃果は生死をさまよい、魂が死ぬ前に、吸血鬼の魂が割り込んできた。乗っ取られることはなく、なぜ穂乃果は今まで生きてこられたか。それが18歳で死ぬ謎なのです。魂として彷徨う吸血鬼が、誤って子供の体に入り込んでしまい乗っ取ることが出来なかった。だからある程度体も精神的にも大人になるであろう18歳まで待っている。実はよくある話のようなんです」
事実だとしたら、現実世界の話には思えない。
でも吸血鬼という存在自体が、現実に存在すると信じられていないらしい。
あの子はまだ話を続ける。
「穂乃果の人間としての魂はまだ消えていない。だから18歳になる前に死に、吸血鬼の魂を外に追い出さなければいけないのです」
穂乃果は思わず、こう聞き返した。
「随分自信満々に話してくれるけど、証拠というか、確信できる情報はあるの」
すると、勢いを落とさず、あの子が答える。
「二つ、あります。まず一つ目、あなたは日光を浴びても灰にならない。調べていくと、吸血鬼は日光を浴びたら気持ちが悪くなるくらいでは済まないというので、そこで完全になりきっていないことが分かります。二つ目に、日光が苦手で、十字架が嫌い。そして血液しか胃に入れられないこと。それは、吸血鬼の魂から、記憶を受け継いでいるからなのです。だから自然と、穂乃果の魂は、18歳で死ぬと思い込んでしまった。それ以外にも、吸血鬼としての記憶や知識はすべて、受け継いだものだと思われます」
あまりに信憑性が高い話に、穂乃果は言葉をなくした。
なんとも言えない気持ちが頭を駆け巡る。
これが真実だったら、穂乃果は生き残れたとして、その先どうなってしまうのか。
死ぬのは怖いのだろうか。
希望と裏腹に、恐怖が浮かんできた。
そのせいで穂乃果には新しい疑問が生まれた。
「どうやって、死ぬの」
依然として勢いを落とさずに、あの子は答える。
「人間に、殺されるんです」
穂乃果はまた、言葉を失った。
日光の元で縛られるとか、十字架に縛られて自殺をするとか、そんなんじゃなく。
穂乃果の事を、誰かが殺すと言った。
そして最後の疑問が生まれた。
それは、望む答えが確立してしまっている。
「誰が、殺すの」
唾を飲み、震えるあの子の唇をただ、見つめた。
「....私が....やります」
震えながらも、あの子は真剣な眼差しで穂乃果を見ている。
望んだ答えが返ってきて、ほんの少しだけ恐怖が和らいだ。
どうせ死んでしまうかもしれないんだ。
穂乃果としても、恋をしたあの子に殺されたい、そう思う。
こうして、運命に抗う意志が、生まれた。
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