過去ログ - 女「人様のお墓に立ちションですか」
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221:名無しNIPPER[saga]
2017/01/03(火) 19:59:27.40 ID:6/ci53PP0
女「やっぱり、先生は私のせいで学校を辞めて……」
先生「きっかけのコップの話をしたことがあったわよね。あなたは確かにその最後の大きな一滴だったわ」
先生「ただ、それも言い訳にして、逃げたのよ私。先生という職業から」
先生「クラスの子供30人、いや授業している子も含めたら何百人という子供の人生抱えてるだなんて考えたら恐ろしくってね。帰宅してからも休日も、片時も心が休まらなかったわ」
先生「授業の準備も手を抜けないけどお給料は出ないし。あんなあけっぴろげな性格だったから教員では私に厳しく接する人も多いし。かなりしんどいのよ」
先生「今じゃ普通の会社のOLよ。怖い上司も、嫌いな社員もたくさんいる。私もただの真面目ちゃんだと思われてる。全然自分をさらけ出せてない。思春期の女の子からラブレター貰ってたなんて言っても誰も信じないくらい、会社では退屈な女よ」
男「女、顔、赤くなってね」
女「……穴があったら入りたい」
男「もう入ってるだろ」
女「不謹慎さん黙って」
先生「けれど、今じゃ、普通のストレスしかないの。やさしい先輩の役に一日でも早く立てるようになりたいな、という明るい気持ちが少しあるだけ。正直、責任感なんてない。会社が潰れても知ったことじゃない。間接的に、社員の子どもたちは大変な目にあうだろうけど。フロアにいるのは30人の子供じゃなくて、自分で立って生きてる大人。しかも私はその責任者ですらない」
先生「仕事自体は覚えることがいっぱいで楽しいしね。勉強、好きだから。教えるより、学ぶほうが気楽よね」
先生「先生っていう仕事はね。責任が強くて最後までやり遂げられる意志がある人か、責任感がないからやり続けられている人にしか勤まらない」
先生「私みたいに理想ばかり強くて意志の弱い人ではまるで歯が立たなかった。私がやめたとしても、社会の歯車が崩壊することなんかなくて、私より適した人が補充されるんだろうなって考えてた」
先生「ただね、あなたが亡くなったことを偶然知らされた時にはね、やっぱり私にしか担えないことがあったんじゃないかって思ったのよ」
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