過去ログ - 女「人様のお墓に立ちションですか」
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278:名無しNIPPER[saga]
2017/01/04(水) 16:45:28.79 ID:G7ejXtln0
今夜も君のお墓参りに来た。
浪人して、一生懸命勉強して、大学生になった。
人生で1番しあわせだと言われている四年間でさえ大変なことはいっぱいだったけれど。
自分のことを応援してくれる人たちと少なからず出会えた。
やがて、少年漫画を読んでいた頃の自分では想像もしなかったような、まっとうで、しかし少し退屈な仕事をするようになった。
社会の一員として、当たり前のストレスを抱えている自分を見て、笑ってしまいそうになることがある。
丑三つ時のお墓を訪れていた頃の自分は、もう死んでしまったのかな、と。
自分を好きだと言ってくれる女性も、時々ではあるが現れた。高校時代はろくに女性と会話したことすらなかったというのに。
付き合って、楽しいな、幸せだなと感じた。
なのに、どういうわけか、心を開いてくれない、と相手の女性から悲しい目で言われてしまいいつも別れてしまうのだった。
原因については、あまりにもわかり過ぎていた。
美しい人は、やっぱりちゃんと、老いて死ななくちゃだめなのだ。
美しいまま標本のように死なれたら、脳裏にその姿が鮮明に焼き付いて、その日から時間がとまってしまう。
そのせいで、1年中、僕は、冬を生きてしまっている。
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