過去ログ - 日向「未来を知るサイキッカーの俺が安価で世界滅亡を食い止める」
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46: ◆zQbiof498Q[saga]
2016/12/29(木) 18:52:28.85 ID:t+NOR07j0
=30分後=



??「あ、あったぁ!」

表通りから裏路地まで虱潰しに歩き回ってヘトヘトになりながら、彼女はさびれた路地裏で、ようやく目的の物を発見した

??「でも・・・こんな所にある物なんて、回線通じてんのかしら・・・?」

怪訝そうに呟くが、とにかく受話器を取らないと始まらないので、彼女は電話ボックスへと駆け寄った

??「・・・へ!?」

だが―――彼女の足はその手前で止まる

??「・・・・・・」

電話ボックスの上に、鳥のような兜とボアにまみれた怪しげな服装の人間がいつの間にか立っていたのだ

??「だ・・・誰!?」

電話ボックスの上の怪人は、そこからフワリと彼女に向かって、文字通り風に吹かれる木の葉のような人間ではあり得ない浮遊した動きで近付く

そして耳元で呟いた




??「・・・・・・Q・・・・・・」



??「ヒャアッ!!?」

思わず彼女は尻餅をついた

そして彼女が振り返った時、既に怪人の姿は無かった



ピー・・・ピー・・・ピー・・・・・・



??「こ、今度は何!?」

音の起点である電話ボックスを恐る恐る覗くと、取り忘れと思われるテレホンカードを公衆電話が吐き出していた

??「何これ・・・真っ赤なテレホンカードとか目立ち過ぎ・・・」

少女は表面に大きく印字されているアルファベットを読み上げる

??「デ・・・ストピ・・・ア・・・『DEATHTOPIA』?そんな言葉あったっけ・・・どっかのそんな名前の会社が作った物かしら?」

少女は裏面を見たり振ったりしてみるが、どこからどう見ても何の変哲も無いテレホンカードだ

??「はー・・・今日は最悪!お兄ちゃんはペコと当分帰って来ないし、ムカつく男に絡まれるし、携帯の充電は切れるし、変な幻覚見るし・・・さっさと帰って寝よ」

ぶつくさ呟く少女は、何のためらいも無く今手に取ったテレホンカードをそのまま公衆電話に投入した

??「忘れてったんだから、ありがたく使わせて貰おっと」

少女の子の行動は小賢しく、そして―――



―――短慮だったと言う他なかっただろう





『おはようございます!世界は、つ・な・が・る デストピア入国管理センターです』





少女―――九頭龍菜摘の、兄とその付き人への劣等感一色だけで満たされし空虚な人生は



その日を境に、血生臭さと絶望に彩られた極彩色に塗り潰される事になった


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