過去ログ - 【モバマス】ちひろのスタドリ計画
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2: ◆O6aPCJnNQlBH[saga]
2016/12/23(金) 23:35:15.42 ID:GF69zbK50
忘れてた、地の文ありです
3: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:36:21.02 ID:GF69zbK50
乃々「ちょっと通らせて欲しいんですけど……」
雑踏の合間を縫うようにして少女――森久保乃々は足早に歩いていく。
客A「ふざけるな!どうしてスタドリが売り切れてるんだ!」
4: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:37:03.51 ID:GF69zbK50
人々の喧騒を聞きながら、彼女はいつからこんな社会になってしまったのだろう、と考える。
小さな兆候がなかった訳ではなかった。
ただ、はっきりと気づいた時には既に手遅れだった。
そして、あの人も。
5: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:38:06.85 ID:GF69zbK50
乃々(悔やんでいる場合ではないんですけど)
彼女を止めなければならない。この事件の一番近くにいた者達として、自分達が。
…きっと、それがあの人のためでもあると思うから。
6: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:38:43.26 ID:GF69zbK50
フッ、と息を吐いて、気持ちを落ち着ける。
数字が増えていく階数表示を見ながらこれからの流れを考えていた。
ピンポーン
7: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:39:30.48 ID:GF69zbK50
その部屋はほぼワンフロア全てを使った会議室。もっとも、今は使われておらず、椅子も机もない室内はあまりにがらんとしている。
壁は三面がガラス窓になっておりほぼ沈みかけの夕日と付き始めた街の明かりが一望できた。
そして、何も無い室内に浮かび上がるシルエットが一つ。
??「乃々ちゃん、待ちましたよ」
8: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:40:05.39 ID:GF69zbK50
ちひろ「それで…お話って何ですか?
……やっぱり、プロデューサーさんのことですか?」
乃々「………」
9: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:42:44.68 ID:GF69zbK50
乃々「五年前、あなたはアイドルのライブチケットに特典としてドリンクを付けました……」
ちひろ「え…?」
乃々「それが、『スタミナドリンク』、略してスタドリ、そうですよね?」
10: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:43:20.10 ID:GF69zbK50
森久保乃々の語った『計画』とはこうであった。
まず、ちひろはスタドリを美城プロダクションの全ての商品の特典に付けた。最初は彼女が事務員をしていたアイドル部門の商品からであった。
同時期に、そのドリンクを集めて賞品と交換するショップをオープンした。
11: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:44:00.87 ID:GF69zbK50
次に、美城財閥の全ての社員の月給が最低賃金分とスタドリ支給に変わった。
変化に戸惑う者もいたが、スタドリで交換する景品の相場は普通の市場より安かったため、大きな批判はなかった。
その頃には、スタドリで交換できる景品は、生鮮食品から土地などまで含めた、ありとあらゆるものに広がっていた。
そして、美城財閥は、スタドリの単品販売を始めた。
12: ◆O6aPCJnNQlBH[sage saga]
2016/12/23(金) 23:44:42.47 ID:GF69zbK50
さて、世界経済は毎日変化している。
為替や株価も変化する中で、金の様な価値の変動のあまり無いものは富を貯蓄するには最適だ。
スタドリはまさにそうであった。
何が起ころうとその価値が変動しなかったのだ。
だから、自らの富をスタドリに変えて貯蓄する者が現れるのは当然であった。
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