過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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124: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2016/12/27(火) 19:07:06.32 ID:WJPu1BOR0

アルス「……ね マリベル。」

マリベル「…なによ。……あっ。」

気が付けば手が触れていた。否、少年がもの寂しそうに揺れる少女の手を絡めとり、その甲を指で優しくなぞっていたのだ。

マリベル「……アルス?」

アルス「手 つなごっか。」

マリベル「…………………。」

一瞬強張った手の力が抜けたの確かめ、少年は少女の指と指の間に自分のそれを差し込み優しく掌を合わせる。
少しだけ身を捩りくすぐったそうにしていた少女もとうとう観念したのか少年の手をゆっくりと握り返す。

そしてこっちを向かせようとしたのに少女の顔は再びそっぽを向いてだんまりを決め込んでしまうのだった。

うっすらと頬を紅潮させているという違いを除いては。

*「おい ありゃあ 完全に…。」

そんな二人を後ろから眺めて漁師の一人が口を開く。

*「声が でかいぞ。」

*「きみも 鈍感だなあ。あんなに わかりやすいのに。」

*「なんだか この 数日で 急接近しているような 気がするけどな。」

*「なんだみんな 水くせえな。教えてくれりゃ 黙ってたのに。」

ボルカノ「…………………。」

“あの跳ねっ返り娘がなあ”

少年と共に少し離れて前を行く少女の後ろ姿を見つめて漁師頭は思う。
以前であれば気にくわないことにはすぐに口を出し、少年を振り回していたあの少女
_今は大人の女性と表現しても差し支えないだろう_が嘘のように少年の隣でされるがままにしている。

ボルカノ「変わるもんだなあ。」

*「あん? どうしたんです ボルカノ船長。」

ボルカノ「いや なんでもねえ。次の 目的地は そう遠くねえんだ のんびりいこうぜ。」

*「へえ…。」

二人の時間を邪魔するのが野暮に思えてしまい、船長と呼ばれた男は足取りを遅らせ遠くに見える小さな港を、
恋人たちの間にできた小さな窓から覗くのだった。



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