過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2016/12/27(火) 19:24:03.88 ID:WJPu1BOR0
アルス「……でも 干物って言っても 普通は あぶったりして 食べるものでしょう?」
沈黙を破ったのは少年の声だった。
アルス「いくらなんでも そのまま 食べたら お腹を壊すはずです。」
アルス「だとしたら 必ず 火を使うはずでしょう。
もし マリベルが 干物を焼いて 食べたというのなら 同じ調理場にいた二人が 気付いたんじゃないですか?」
*「そっか…。」
*「でも マリベルおじょうさんは 火の呪文を 使えるんじゃなかったか? このフロアでなら 誰にも 気付かれずに できるんじゃ…。」
少年に集まっていた視線が再び少女に向けられる・
マリベル「…たしかに 使えるわ。呪文じゃなくても 特別な力で 火も吹けるわよ……。」
アルス「でも 干物を焼く時の 匂いを 完全に飛ばすことは できません。」
アルス「もし 実際に あぶったりしていたら きっと 誰かが 気付いたはずでしょう。」
少年の言うことはもっともだった。だがそれだけに謎はさらに深まり、再び辺りは痛いほどの静寂に包まれる。
マリベル「もういいわ アルス……。誰にも 証明できない以上 あたしが 疑われるのは 当然のことだわよ…。」
アルス「マリベル!」
マリベル「ううん 何も言わないで。……気持ちだけは ありがたく 受け取るわ。」
マリベル「さあ ボルカノ船長! なんなりと あたしを罰してください。」
漁師頭に体を向け、少女は諦めたように目を閉じて制裁の言葉を待つ。
ボルカノ「…………………。」
いくら網元の娘とはいえ漁師にとって船の上での規律は絶対。男はこの船を任された船長として苦渋の決断を下すより他なかった。
ボルカノ「マリベルおじょうさん こんなことは 言いにくいんですが…。」
ボルカノ「規律を 守れない以上 この漁からは……。」
“離脱してもらいます”
そう告げようとした時だった。
アルス「待って! 待って父さん!」
父親の言葉を遮り少年が叫ぶ。
ボルカノ「アルス……。」
アルス「マリベルは 犯人なんかじゃない!」
アルス「ぼくが 真犯人を 突き止めるまで 少しだけ 時間をください!」
少年は本気だった。
犯行を裏付ける決定的な証拠もなければ少女がそんな自分勝手なことをする動機もない。
だが少年は彼女のことを信じていた。
ボルカノ「…………………。」
息子の揺るぎない目を見つめ、父親はやがて大きく頷く。
ボルカノ「わかった。メザレに到着するまで 待とう。」
ボルカノ「ただし マリベルおじょうさん。それまでに 疑いを 晴らせなければ その時は……。」
マリベル「ええ。大人しく 船を 降りますわ。」
少女が力強く、はっきりと答える。
ボルカノ「わかりました。」
ボルカノ「おまえら 持ち場に戻れ! 通常運転で 行くぞ。」
ボルカノ「ただし アルスには 協力してやってくれ。」
ボルカノ「……オレからの お願いだ。」
それだけ言うと船長は甲板へと昇っていった。
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